今後の外食業界についての考察②フェイズ2
問題はフェイズ2(社会の変容)に対してである。
東京都心のオフィス空室率は2%を超えた。家賃の高い都心部でのオフィスをやめると単純に固定費が激減する。
ハプンスタンス理論・・・何か事件・事故が起こった事を逆手にとって、それを活用して前に進める、私も幾度となく活用してきた。
私が都心でオフィスを構える大手企業の経営者なら、間違いなくオフィスを解約する。(それができる業種なら、という前提にはなるが)
内需を代表するわれわれサービス業、特に「ダウンタウン型」と言われる居酒屋業は、そんな彼らの需要に対応する事で商売が成り立ってきた。その前提が崩れつつあるのが、「今」なのかもしれない。
だからと言って、業態開発、郊外型へのシフト・・・などと言うのは、慌て者がやること。コロナによる社会変容で、都心→郊外移住がトレンド化しつつあるようにも見えるが、人口減少・高齢化を踏まえると、それは単なる一過性のものではないかとも考えられる。
では、今後の大きな流れを考える、それをどのように捉え、そして対応していくべきなのだろうか?
大きな流れ・・・
・人口減少、高齢化(コロナとは関係がない)
・インバウンド回復の大幅遅れ(元々ここは関係がない)
・テレワークの加速(都心部のワーカー減少)→変容を観察
・コロナを機とした不況期(3~4年は続くと覚悟する)
⇒競合店舗の減少→生き残り戦略→参入障壁の低い業種だけに競合数は変わらず
⇒外食機会の減少
ダウンタウン型居酒屋業として、どんな企業が生き残れるのだろうか?
・看板商品が明確で、より魅力的(顧客からの優先順位が高い)
・売上回転率が低くても生産性を維持・向上(固定費が低い、または更なる低減化)
⇒広告宣伝ゼロでも客数確保→口こみのしやすい商品を更に作っていく
⇒人件費効率を上げられるか→省力化
特に省力化について、今までは生産効率UPという観点から調理の機械化ばかりを考えてきたが、実はオーダーのタッチパネルによる省力化の方がはるかに効果的ではある。
しかしそれは元々、大手の居酒屋による無機質なサービスとして、同業者としては辟易していたのだが、やり方を変えればアリなのではないかと考えるようにもなった。
確かにドリンクの追加オーダーに関しては、煩わしさがない反面、酔っぱらいはパネルをさわる煩わしさもある・・・
オーダーエントリーシステムが正にそうであったように、
またこれらテック業界は、日進月歩で進む世界でもあるので、新たな機器が開発されるやもしれない。
新開発される機器の展示会の観察を含め、ここはじっくり考えるべき所である。