F.I.R.E 投資家の投資日記

48歳で企業経営を引退、投資歴20年以上、専業投資家として歩み始めた投資日記

「なぜ、そうしなかったのか?」を検証する①

「もしも、あっちの選択をしていたら、今頃どうなっていただろうか?」

 

「人生の選択肢」・・・映画やドラマにも使われるようなテーマ。

もう1つの選択をしていたら・・・そんな事を妄想しても、人生は「一回性の法則」なのだから、後から考えても仕方がない。

 「選択の連続で今がある」のは、間違いないことだし、またそれを「運」と呼ぶのだろう。しかし単にそれを「運」という一言で片づけてしまうのも、何か違うような気もする。

あの時、「なぜ、私はそうしなかったのか?」・・・その検証をする事の方が、圧倒的に未来志向である。

 

近年で大きな選択肢だったのが、まだ西新宿で店をやっていた時の話だろう。いつもお世話になっているビールメーカーS部長のご紹介で、西武プロパティさんと懇意にさせて頂いた頃、赤坂の紀伊藩邸跡地の新築レジデンスで「1軒空きがあるけど借りませんか?」というお誘いがあり、ご丁寧に内見までさせて頂いた。

家賃は月額30万円程度で2LDK、決して広くはなかったが、コンシェルジュは常駐しており、1Fに共有会議室が2つあるその最新式マンションは、まばゆいばかりだった。

また、新宿の店舗は別会社にしていて、広島の会社はというと、不動産を売却して退職したばかりだったので、「そのまま東京に移住をするか」ということで迷っていたし、半ばそれは必然とも言える流れだった。

新宿店舗の別会社は、広島事務所を本社として登記していたので、東京には事務所もなく、私が東京滞在する際は、半蔵門のビジネスホテルを定宿としていた。

だから東京事務所、本社移転という方が自然と言えば自然であった。

 

当時私は、経営者よりも1つ上のレイヤー・・・つまり「投資家」目線で経営を行っていた。

投資家の考えること、それは「リスクリワード」である。損失リスクとリターン期待値を天秤にかける。

新宿店舗は西新宿駅徒歩7分の角の一等地、売上・利益共に安定していた。しかしそこは、1年半の期間限定ということで家賃も大幅に減額してもらっていた。

当時の残契約期間も残り半年、家主企業さんへお願いをすれば、残り1年位はやれただろう。それでも契約が終わった時点で、利益はゼロとなる。

また、紀尾井町の新ビルでのビアガーデン案件も難航していた。 

もう1つ、当時から投資家セミナーにはよく顔を出していたが、景気循環論を支持する私としては、2016年当時で「そろそろリセッション入り・・・」を予期していた。(結局ここから更に、好景気は3年間伸びた)

慎重派の私としては、ここは大いに悩む分岐点だったのである・・・

(続く)