F.I.R.E 投資家の投資日記

48歳で企業経営を引退、投資歴20年以上、専業投資家として歩み始めた投資日記

「金と銀」再考・・・(価格差から考える)

金利の付かない「金」が史上最高値を更新し続けている・・・

 

かつて基軸通貨と連動していた金は、ドルとの相関性においてのみ価値の上下動が発生する。

ドルが金兌換制度を止めて以来、ドルは信用創造の元に刷られ続けて、ただひたすらに減価していった。金相関におけるドル価値を、1971年を100とした場合、2020年には1.9、実にその価値は1/50にまで減価(=金の価値が上昇)している。

今回もコロナショックによって、各国の財政出動に伴って、ドルは供給され続けている。また、FRBは2022年までは金利を据え置く事を明言しており、それも金上昇圧力として追い風になっている。

株式市場・債券市場は合わせて200兆ドル。その一部が金市場に流れていると言われている。金市場は5兆ドル(1/40)なので、わずかの資金流入があっても、市場自体が上振れする構造になっている。

 

金と同じように、価値があるとされる鉱物資源の1つが「銀」。

金と銀の価格差は80倍を超えると、銀は割安と言われる。7月中旬から銀相場は高騰を始めるが、当時の価格差が84倍。2020年8月7日時点でも72倍ある。

では、前回の金/銀高騰時は一体どうだったのだろうか?

          金       銀       比率

2009年11月上旬  1196ドル    19ドル     62倍

2010年11月    1360ドル    28ドル     47倍

2011年3月27日   1506ドル    46.7ドル    32倍 銀最高値

2011年7月25日   1837ドル    42.4ドル    43倍 金最高値

 

銀が最高値から下落を始めても、その後に金は更に20%以上上昇している。銀の場合は需要の1/2が工業用として使われている。つまり、残り50%がバブル化していると考えるべきだろうか。

金銀差の適正を80倍と考えると、銀の最高値時は銀価格は18.8ドルが適正なので約250%の価格差でのプレミアムが付いている計算になる。

金上昇が始まっても、2年位かかって上昇している。やはりFRB金利操作が始まる2021年後半か2022年前半までは上昇相場が続くと見た方が良いかもしれない。

「欲張り過ぎない!(ほどほどに)」が私の「7’sルール」の1つなので、金鉱株は総資産の2%、銀ETFは1%買って備えた。あとは時間と共にAging(熟成)をじっくりと待つのみである。