F.I.R.E 投資家の投資日記

48歳で企業経営を引退、投資歴20年以上、専業投資家として歩み始めた投資日記

2021年の投資方針と抱負

一年の計は元旦にあり・・・

 

経営者(現役)時代は、新年早々事務所に数時間籠って、無意識との対話を実施。

当社の経営方針と経営計画作りを行っていた。

会社を引退した今、新たに人生計画(人生ピラミッド)の微修正に取り組みたいと思う。

 

その前に年末に面白い言葉と出会い、なるほどと思ったので再掲しておく。

「バブルが来ようが来るまいが・・・結局は力んで(集中)投資せず、

 ただぼんやりと長期間、株式を持ち続けるのが良い」

「ビジネスの世界では実践ありき・・・だが、

 この世界では、余計な手は動かさず(余計な売買をせず)

 株式を持ったまま、あれこれ予想を楽しむ(頭と口だけ動かすのも案外悪くない)」

                             山崎元氏ブログより

 

【環境】の確認

Ⅰ、資産運用面(金融・世界経済)

・コロナワクチンの効用が判明するまでは強気相場は続く(FRB金利を上げない)

FRBの動向(パウエル議長の交代はあるか?2021年11月頃判明)、金利政策の動向

つまり、多少の調整局面はあるだろうが、大方は数年前の強気相場が継続するだろう。

 

⇒投資方針

・調整局面での追加購入は行うが(複利効果分=配当金4000千円分)基本は放って

 おく。(調整局面は年に1~2度程度だろう)

 優良資産への切り替えとその分への追加購入。

・優良資産(優良企業)の条件を整理し続ける。(頭の体操)2020年時点

 ① CROA 15%以上

 ② FCFM 20%以上

 ③ 連続増配 25年以上

 ④ 安全域(コロナショック時暴落率30%以内)の高い企業

 

Ⅱ、生活面(新たな環境)

・世界的にも情報の最先端の世界にアクセスすることができた。

⇒新たな事へのチャレンジをし続ける。

 やってみて、しっくりこなければ止めればいい

 その為にアンテナを張り巡らせ、調査し、行動を起こす。

 

2020年は資産運用面に大きく注力した。一応はポートフォリオは完成したので、

力んで投資するのではなく、少し肩の力を抜いてぼんやりと資産運用に向かい、

新しい生活を楽しんでみるのが良いように思う。

 

                         2021年 元旦

 

 

 

 

 

2020年の総括

今年は激動の年だった・・・

コロナだったから、という訳ではない。

コロナはあくまでも「きっかけ」でしかない。

 

まず3月、ほぼ約定が決まっていた当社のM&A、私の会社の株式売却が破談となった。

「資本主義経済の本質はババ抜き」・・・当社の株が「ババ」なんてもちろん言わないけど、「Cash is KING」、流動性を高めるという意味では目論見が外れた。

代わりに7月に、現社長と「プリンシパル=エージェント協定」を交わす。これはキャピタルアロケーションの一環であって、フリーCFの処分を明確化したというもの。

これで堂々と株主配当を受け取る、その代わりに役員退職引当金を積立てるという大義名分と引き換えにした。

数年後に再度、株式売却に踏み切った際、これが足かせとなって売却額は大きく減額することになるだろう。それでも「良し」とした。

代わりと言ってはなんだが、全国の生産者の皆様方との「ご縁」は保たれた。銭金には代えられない価値であることを、秋に鹿児島東町に訪問した際に、まじまじと感じることとなった。

 

家内とは全国を旅行して回った。2月沖縄、7月仙台・岩手中尊寺、横浜中華街、徳島鳴門大塚美術館、10月北海道網走・知床、11月山陰・皆生温泉、出雲・鳥取、岡山後楽園、12月に車で広島→東京の際、姫路城、神戸、浜松・・・

個人的には8月熊野古道、9月末(仕事で)鹿児島東町・熊本黒川温泉

10~11月に東京、埼玉で14か所の物件を見て回り、12月に南町田に引越し。

 

資産面では、3月のコロナショックで逆に米国株に買い向かい、約8000万円以上を購入した。(4月中旬にはフルインベストメント)

3月末には含み損▲3000万円も、2020年末では+2600万円。

今期の資産伸び率は+16%だった。

ゆっくり5年程かけて買うつもりだったが、コロナショックは普段は高値でとても買えない多くの優良銘柄を買える絶好機となった。実学として、ここから学べることはあまりにも多かったように思う。

 

生活環境も資産面も大きく変動した2020年、人生の転機として刻むことになるだろう。

さて、来年はどんな年になるか、ワクワクしている・・・

 

 

 

 

第三者の承認

コロナウィルスの影響で、講演会も次々と中止に追い込まれている。
大竹慎一氏(アメリカ在住のファンドマネージャー)による投資講演会は、年に3~4回あって、毎回それに参加していたのだが、(2020年)8月の講演会が中止となった。
事前に質問をメールし、講座と共にその質問に答えるという形式で、講演会中止の代わりに、それを収録したCDが送られてきた。
以下、事前に私が送った質問である。
 
お世話になっております。長年 企業経営をしておりました折に先生の後援会を知り、
投資家目線で経営することを思い立ちました。
そして自社をROA(総資産純利益率)重視の経営に切り替えました所、その後収益力が上がり
お陰様で4年前に引退(48歳にてアーリーリタイア)することができました。
 
今も米国株を中心に資産運用をしておりますが、先生からご教授頂いたことを含め、
資産運用の要諦は「良い企業の株を長く持ち続けること」だと理解しております。
そこで「良い企業」の定義ですが、同じくROAの高い企業(ROA15%以上)を目安としておりました。
そして普段は割高で買えそうにない企業を、3-4月の暴落時に買うことができました。
 
具体的には、MCO(ムーディーズ)、INTU(インテュイット)、ACN(アクセンチュア)、FICO(フェアアイザック)、ZTS(ゾエティス)、MA(マスターカード)、SPGI(S&Pグローバルインク)等、
現在のポートフォリオは60社を超えました。
今回の買い増しでは、テクノロジー系、銀行以外の金融系が増えました。
 
定義付けで、私が重視する順として、ROA15%以上、ワイドモートな業種、連続増配としています。
仮に2番底があったとしても、こういった基準で買い増しを考えておりますが、考え方としてはこれでよろしいでしょうか?
他に加える基準などありましたらご教授ください。
 
それに対し、「よく考えて投資している」という満額回答だった。
「第三者の承認」は極めて重要である。特にその世界でプロとして生きている方からの承認であれば尚更である。
 
ただ、同氏は普段からバフェットのことを良くは思っておらず・・・
「ワイドモートな企業って何だ?」という一点だけ忠告が入った。確かに「ワイドモート」は主観であって、そこに明確な基準はない。
よってこの一点だけは、投資基準から外そうと思う。
 
この第三者の承認を得た、という点だけでも、講演CD3万円はモトを取るのに十分だったと言える。

「無所属の時間」とλ(ラムダ)の資産形成

「生き様」・・・私たちは皆、自尊心を持っている。だから自分の人生には、何らかの意味を見出したいと思うのは当然のことだろう。

 

そもそもこの9月に、私が創業した会社の会長職も辞任するのを機に、今秋には首都圏に移住するつもりだった。そして新たな生活と共に、何らかの形で社会性を持つつもりでいた。

しかし新型コロナウィルスのせいで、新居を探しに行くこともできず、また今冬の第2波(それが高致死率であること)を予期して、移住を半年程伸ばすことにした。(首都圏なんて、リスク以外の何ものでもない)

まぁ、それでも生活費には困らない今の環境に感謝すべきであろうが、前にも後ろにも進めない状況というのは、いささか困ったものである。

そんな中、今の住居を継続して社宅にするという妙案を思いついた。だからここにあと半年留まるのは、金銭的には余裕を持たせるという意味でも良いと思っていた。

 

しかし所詮「お金」は人生をより豊かにする為のツールであり、それに執着したり、振り回されたりするのは本末転倒である。

だから日々考える中で「優先順位は何か?」を問うた。

そして「新たな生活で、次の一歩を踏み出す」ことの方がより重要であると考え方が強くなった。

 

新たにビジネスを始めるにせよ、ボランティアなどの社会活動をするにせよ、もう次のステップに進むべきである。そうすることで初めて見える景色もあるのだろう。

これからしばらくは「無所属の時間」を生きることになる。(城山三郎さんが唱えた、私のお気に入りの言葉だ)

可能性は無限大、死ぬまでに「お金」は(たぶん)ちょっとだけ不足するという状況。安穏とした生活は人の成長を阻害する・・・それは昔も今の変わらない不変の真理。

資産形成におけるβ(ベータ)を作り、α(アルファ)も作った。

これからはλ(ラムダ)・・・個人のスキルでプラスアルファを稼ぐことが必要だろう。

外部の社会資本と緩やかに付き合い、わずかばかりの収入を得て、新たなチャレンジと共に次の成長に向かう。それが次のステージにつながっていくのだろう。

 

 

「なぜ、そうしなかったのか?」を検証する②環境の力には勝てない

飲食業の世界に足を踏み入れて30年、この世界の厳しさを十二分に感じてきた。

それを含めて、飲食店経営者としての哲学がある。

 

・利益率の低い(10~15%)飲食店経営では、バックヤード(本社家賃、人件費)はとにかく軽くしておかなければならない。

・戦後70年間、飲食企業(特に居酒屋業)で天下をとった企業は皆無。栄枯盛衰の激しい業種、家賃が異常に高い東京で後発企業が、飲食店経営を長くやり続けられるとは到底思えない。

 

「運」とは、その人と成りが引き寄せるもの。状況的に恐らく8割方の人が東京移住を決断したであろうが、特に慎重派の私は思いとどまった。

人がうらやむもの、派手なもの、かっこいいもの、それらに対しては、斜に構えて見るクセが付いている。(単にへそ曲がりなだけです)

 

「契約満了ですよね?色々とお世話になりました。ありがとうございました。」定時の家主企業との打合せの際、私の方から切り出すと、想像もしていなかったのだろう、担当課長はビックリした顔をしておられた。

(何かにつけ、平気で呼び出し、上から目線で対応する家主企業に対して、常日頃から気に入らなかったのは確かである)

 

翌年(2017年7月)、惜しまれつつ新宿店閉鎖。(東京撤退)

 

2020年3月、新型コロナウィルスによる、需要の蒸発→大不況期に突入。

仮に新宿店舗が残っていて、いくら家賃を相場よりも安くしてもらっているといっても、営業自粛で売上ゼロならば、月額賃料4200千円はさすがに払えない。

もし2016年に東京へ移住していたら、新宿店は契約期限切れだったとしても、何らかの形で首都圏で出店を続けていただろう。

すると今頃は、正に地獄を見ていたのかもしれない。

 

結果論にはなるが、あの選択は本当に正しかったと言える。

新型コロナウィルスを予測した人など、この地球上に1人もいなかったとしても、右肩上がりの好景気は、いつか調整期(リセッション)を迎える日が来る。

パンデミックは単に、調整の為の「理由付け」と見ることもできる。

 欲をかき過ぎない、何事もほどほどに・・・(=中庸)というのは、人生哲学では最高の教訓ではあるが・・・それよりも、数年先の(経済)環境を予測する、景気循環の波を考える。それらの方が余程重要であると改めて思う。

私達は自分の力で稼いでいるように思っているが、我々小動物は、しょせん環境の力に勝つことなどできないのだ。

 

「なぜ、そうしなかったのか?」を検証する①

「もしも、あっちの選択をしていたら、今頃どうなっていただろうか?」

 

「人生の選択肢」・・・映画やドラマにも使われるようなテーマ。

もう1つの選択をしていたら・・・そんな事を妄想しても、人生は「一回性の法則」なのだから、後から考えても仕方がない。

 「選択の連続で今がある」のは、間違いないことだし、またそれを「運」と呼ぶのだろう。しかし単にそれを「運」という一言で片づけてしまうのも、何か違うような気もする。

あの時、「なぜ、私はそうしなかったのか?」・・・その検証をする事の方が、圧倒的に未来志向である。

 

近年で大きな選択肢だったのが、まだ西新宿で店をやっていた時の話だろう。いつもお世話になっているビールメーカーS部長のご紹介で、西武プロパティさんと懇意にさせて頂いた頃、赤坂の紀伊藩邸跡地の新築レジデンスで「1軒空きがあるけど借りませんか?」というお誘いがあり、ご丁寧に内見までさせて頂いた。

家賃は月額30万円程度で2LDK、決して広くはなかったが、コンシェルジュは常駐しており、1Fに共有会議室が2つあるその最新式マンションは、まばゆいばかりだった。

また、新宿の店舗は別会社にしていて、広島の会社はというと、不動産を売却して退職したばかりだったので、「そのまま東京に移住をするか」ということで迷っていたし、半ばそれは必然とも言える流れだった。

新宿店舗の別会社は、広島事務所を本社として登記していたので、東京には事務所もなく、私が東京滞在する際は、半蔵門のビジネスホテルを定宿としていた。

だから東京事務所、本社移転という方が自然と言えば自然であった。

 

当時私は、経営者よりも1つ上のレイヤー・・・つまり「投資家」目線で経営を行っていた。

投資家の考えること、それは「リスクリワード」である。損失リスクとリターン期待値を天秤にかける。

新宿店舗は西新宿駅徒歩7分の角の一等地、売上・利益共に安定していた。しかしそこは、1年半の期間限定ということで家賃も大幅に減額してもらっていた。

当時の残契約期間も残り半年、家主企業さんへお願いをすれば、残り1年位はやれただろう。それでも契約が終わった時点で、利益はゼロとなる。

また、紀尾井町の新ビルでのビアガーデン案件も難航していた。 

もう1つ、当時から投資家セミナーにはよく顔を出していたが、景気循環論を支持する私としては、2016年当時で「そろそろリセッション入り・・・」を予期していた。(結局ここから更に、好景気は3年間伸びた)

慎重派の私としては、ここは大いに悩む分岐点だったのである・・・

(続く)

 

 

 

 

15~30%下落を想定した銘柄入れ替えの具体策について

ナスダックとS&P500が、最高値を更新中、またNYダウも2月の最高値に近づきつつあるようだ。

ナスダックは2000年初頭のITバブルを超える割高感がある。2-3月と同様、なんらかの外部圧力によって(前回がコロナウィルス)再度、調整(=株価下落)する動きが出るのは、当然の成り行きと見た方がよい。

今回、予測するストーリーとしては、11~3月の間に第2波によって15~30%の調整が起こる確率が高いのではないだろうか?

 

そもそも「資産運用」とは、自己の資産を優良な資産に替え続けていく作業を指す。

私の場合、今後はペーパーアセット中心で運用していくと決めているので、株式・債券のバランスをとりながら運用していくということ。

そして株式投資の本質とは、「良い企業の株を(より安く仕入れ)それを長く持ち続ける」(=企業の成長の恩恵を受ける)ということ。

SCP理論(構造から考える)で考えると、業種毎に収益構造の明らかな違いがあり、それを加味して選択する必要がある。

 

では、良い企業の条件とは何だろうか?

*FCFM(フリーキャッシュフローマージン);FCF/売上=効率よくフリーCFを生み出せているか? FCFM=20%以上と定義すると・・・

・COG(ガス)

・JNJ、MDT、ZTS、ISRG(ヘルスケアセクター)

・PM、MO、BTI(たばこ)

・KO、PG(生活必需品)

RIO、BHP(資源)

・CME、MA、V、AXP、WPM(金融;銀行以外の)

・INTU(ソフトウェア)

・SPGI、MCO、FICO、INFO、ASML、CSCO(テック)

・MCD(一般消費財

以上25社・・・

各セクターの分母の違いはあるが、ヘルスケア、たばこ、銀行以外の金融、情報技術が圧倒的に効率よく稼いでいることが分かる。

 

*CROA(FCF/総資産)=預金の利回りと同じく、資産に対してのフリーCF利回り

CROA=20%以上を優良と定義すると・・・

・PM、MA、INTU、SPGI、ACN のわずか5社しかない。

CROA=10%以上と拡げてみると・・・

・COG、JNJ、ZTS、ISRG、MO、GIS、PG、RIO、UFPI、V、MCO、FICO、ASML、CSCO、MCD(+15社=20社)

 

重複を含めて、2項目に該当する企業は合計26社ということになる。

そして、次の調整によって15~30%の下落があると考えると、逆に買値からの上昇率が30%を超えていなくて、上記2項目に該当する企業は積極的に買い増しとなり・・・

COG、JNJ、MDT、PM、GIS、KO、RIO、BHP、UFPI、CME、MA、V、AXP、INFO、CSCO、MCD

以上が該当するが、ETFの SPYD、VGTの構成銘柄で重複している企業、

MA、V、INTU は資産内比率2%を目途にReaping、FISは全て売却、NGG、PPLは全て売却

2項目に該当しない CVSは全て、SJM、BUD、DEO はポジションを下げる。