F.I.R.E 投資家の投資日記

48歳で企業経営を引退、投資歴20年以上、専業投資家として歩み始めた投資日記

2番底で追加購入する基準(高ROA企業)

 

アメリカの4-6月のGDP速報値が▲32.9%

 

過去最悪の衝撃的な数値が発表された。

更に賃貸住宅に住むアメリカ人(総数1億1000万人)の家賃支払い猶予問題等、実体経済の悪化に株価が引き寄せられる状況が、いよいよこれから本格化するのではないだろうか?

やはり、そうなると二番底を探る展開が十分に出てきた。(晩秋~冬にかけて?)

そこで、仮に二番底になったと想定した場合、私達はどういった優良銘柄を拾っていけばよいのか?それについて検証していきたい。

 

誰もが真っ先に思いつくのが、アメリカの成長をけん引するIT企業のGAFAMではないだろうか?

現在、GAFAのトップ達のアメリカ議会証言が続いている。GAFAMの時価総額はなんと600兆円で日本のGDP(552兆円)を超えていて、各国政府も無視できない状態にある。

彼らの業績は(アルファベットを除き)絶好調で、「コロナ太り」しているとも揶揄されている。それでいて納税額は少なく、雇用も少ない。

数年前から、EU各国がデジタル課税を訴えているが、トランプ大統領がそれに猛反対をしている。仮にアメリカの政権交代が起これば、それが加速するかもしれない。そうなるとこれらの株価も下落することになるだろう。

 

栄枯盛衰・・・満月はいつまでも満ち続けることはない。

 

私の個人的な好みとしては、無配の成長企業よりも、地味だけど堅実な配当企業の方だ。極端な高配当というよりも、2~3%程度の配当を長年続けて、ゆっくりでも株価も成長している企業が良い。

そこで、様々な基準を設けてスクリーニングしてみた。

  

① 高ROA企業(ROA20%以上)

・PM、COG、MA、INTU、SPGI、MCO、ACN 以上7銘柄

② 準・高ROA企業(ROA15%以上)

JNJZTS、ISRG、UFPI、V、FICO、CSCO、EL、MCD 以上9銘柄

③ WM(ワイドモート)企業

・ZTS、ADM、WM、AWK、CME、WPM、ASML、INFO、DIS 以上9銘柄

④ 配当貴族銘柄(連続増配25年以上)

・XOM、JNJ、MDT、T、KO、PG、WBA、ADM、CB、WMT、MCD 以上11銘柄

(太字は重複)

対象企業は32銘柄(50%、保有個別銘柄は64)

 

コロナショックの暴落後、特に高ROAとワイドモート企業は株価の戻りも早い。

私も企業経営においては、ROAを重視してからキャッシュが一気に貯まるようになった。(当ブログタイトルも「ROA投資家」としている位です)

やはり①から順に追加購入していくというのが、本筋と言えるだろう。

 

 

市場のかんしゃくと金と銀

「金は10年かけて下げ、10年かけて上げる・・・」大竹慎一ファンドマネージャー

 

NY金先物;1966ドル(最高値更新)、10年ぶりに上げ相場が続いている。

コロナによる世界的経済情勢の不安、米中摩擦、金利低下、金融緩和で行き場を失ったマネーの大量流れ込み・・・

 

アメリカのFF金利はしばらく0.125%の低空飛行が続くので、金の強気相場はしばらく続くと見られている。モルガン・スタンレーは、当面2300ドル、メリルリンチに至っては2020年末までに3000ドルとまで予想している。

金については、金鉱株大手のバリックゴールド(GOLD)を2年前に大きく下げた際に購入して、今では追い風にのって160%程度に上昇している。(全ポートフォリオの2%)

金が上がれば銀が遅れて追随することから、先日 銀ETF(SLV)を購入した。

金/銀が80倍を超えると、銀は割安と言われており、2020年7月31日現在 金先物1966ドル、銀先物23ドル、84倍と割安感は十分に出ている。

金が2300ドルで銀28ドル以上。仮に金3000ドルで銀37ドル以上といった辺りでも十分割安な価格ラインである。

ちなみに前回の上がり相場(2011年)では、銀は45ドルまで上昇している。では、今回はどうか・・・

 

7月末のFOMCアメリ連邦公開市場委員会)では、フォワドガイダンスの大きな変更は無かった。次回(9月15-16日)開催で、2023年の経済見通しが発表されるが、注目はインフレ率見通しであろう。長期目標を2.0としているが、2022年で 1.7を予測した。さすがに今の状況下で、2.0にはできないだろうから1.9辺りと見るがどうだろうか。

 

いずれにしても、FRBの見通し→金利上昇発表が、金と銀の売り時となり、いつもテーパータントラムによって、金相場は終焉を迎える。

金相場下落→債券相場下落→株式相場上昇といったサイクルになるが、それもしばらくは時間がかかりそうである。

金の下落と、は不況の終わりの始まりを意味しているのかもしれない。その後は株式一転ばりで売却タイミングを見計らい、そして下落した債券を拾って、ミーンリバージョンを実践していく。

 

*テーパータントラム;テーパーリング(次第に細る)とタントラム(かんしゃく)を合わせた造語。量的金融緩和の縮小を示唆した際に市場がパニック状態に陥る状況を表現した言葉。

 

 

われわれ小動物は2番底に備えるべき?

WHOから「今回の新型コロナウィルスには季節性がない」という見解が発表された。

日々更新される世界の感染状況を見ると、別にわざわざ発表しなくとも、そんなことくらいはわれわれ素人にでも分かること。

今、日本でも感染者が再急増しているが、春と比べて人々が活動的なのは、死亡リスク(=重症化率)が低下しているからだろう。

ウィルスはもともと乾燥を好むが、冬に流行するインフルエンザであっても、夏場に感染する人もいない訳ではない。

今回のコロナウィルスは元々、感染力が強いという性質を考えると、この夏場は強毒性だけが低下しているのではないか、という仮説を立てることもできる。

 

現在、ワクチン開発が世界で急がれてはいるが、プロの先生方の見解によると「ワクチンで全てが解決するなどと、楽観的には見ない方がよい」という意見が多い。

「人間への副作用に関する治験、その第3フェーズの壁が非常に高い」からだそうだ。

 

これらを総合的に見ていくと、様々なストーリーを描くことができる。

もともと株式投資は、政治、社会情勢、国際情勢を踏まえた経済状態を色々なストーリーを元に予測していくというもの。

私の考える1つのストーリーは、今冬に再度、強毒性が増し、北半球を中心に再度パニックになるような本格的第2波が発生する可能性が高いのではないかと見ている。

そうなると株式相場の2番底を迎えることになる。

 

過去の歴史を見ると、市場が暴落した後に2番底という現象はかなりの確率で発生している。今回短期間で相場の大きな戻しがあり、その後あまりにも順調すぎる相場が続いている。

どこかで必ず「再調整」が起きることを想定して、それに備えるというのは、小動物であるわれわれ個人投資家の心構えなのではないだろうか?

もしも起こらなければ「よかったね!」・・・で済む。(私の持ち株会社の利益にも大きく影響するので、むしろ何も起こらない方が精神衛生上にも良い)

でも、そんな簡単にいくとはどうしても思えないのだ。

 

コロナショック!その時何が起こったのか?(2020年2月~4月)

<市場の動き>

・2020年2月25日、NYダウ▲1000ドル超、コロナショック(大暴落相場)が始まった。

・3月9日、原油ショックも重なり、▲2013ドル、史上最大の下げ幅を記録。

  VIX指数61.6、NY原油先物31ドル(▲10ドル超)、為替102円/ドル

・3月12日、NYダウ21,200ドル(▲2352ドル、史上最大下げ幅更新)

  VIX指数75.4、NY金1590ドル(▲52ドル) 

  リーマンショック時と同じ。金を含めた全ての資産が下落(金はその後、急上昇)

・3月13日、NYダウ急騰+1985ドル(過去最大の急騰)

・3月15日、FRBが1.0%の緊急利下げとQE4を発表。(ほぼゼロ金利

・3月16日、NYダウ▲2997ドル(史上最大の下げ幅更新)

  VIX指数82.9、NY原油28.7ドル(5年ぶり20ドル代)、NY金1486ドル(▲30ドル)

・3月17日、アメリカ政府が1兆ドルの経済支援策を発表。

  FRB;100憶ドルのCP買入れ発表。NYダウ+1048ドル

・3月18日、NYダウ19,898ドル(▲1338ドル)、原油20.3ドル、金1477ドル

・3月23日、NYダウ18,591ドル、S&P500指数2237、原油23.3ドル、金1,567ドル

     *結果3月23日が大底。

・4月20日NY原油先物、史上初のマイナス圏へ

 

<私の購入履歴>2月27日から買い向かう。

・2/27 7,600千円購入。その後は小反発ごとに小刻みに購入。

・3月2日 13,900千円、3月13日 18,120千円、3月25日 11,180千円、大きく購入。

 尚、債券は3月18日にBND(米国債ETF楽天口座・三菱M口座共に全売却。

 ミーンリバージョン×→全てを株式に傾斜(PFF;高配当優先債券ETFを除く)

・4月14日 フルインベストメント

 

・銀行以外の金融株(V、MA、AXPのクレジット会社等)

・収益性の高いテック企業(SPGI、MCO、INFO、ACN等)

普段は割高で購入できなかったこれら高収益な優良企業を購入。同時にVGT(バンガード米国情報技術ETF)も、2,500千円程度購入。

 

世界的な政府の財政出動中央銀行の金融緩和策によって、テック企業を中心にその後は株価上昇。(ナスダックは史上最高値を更新)

 

そして落ち着きを取り戻した株式市場、今後のリスク要因とは・・・

2020年11月、アメリカ大統領選でバイデン勝利→株価下落リスク

2021年冬、更なるコロナパニック、インフルエンザとの二重流行

 

どのストーリーをとっても、今後は株価下落・二番底の可能性もある。よってキャッシュポジションを10%程度まで上げていきたいと考えた時、VGTと被っていてなおかつVGTよりも配当利回りの低いテック企業は不要ではないかと考えた。

以下投資ルールへ

これからの配当金生活を考える

会長職の退任時期をまもなく迎える、よって会社からの給与(役員報酬)もいよいよゼロになる。

14年間務めた会社を辞め、起業する際に収入の無い時期が2か月程あったが、社会人になってからの33年間で役員報酬を含めて、給与ゼロということはこれまで無かった。

 

これからの収入は、米国株からの配当金が年間400~450万円。私が創業した会社からの配当金が年間700~800万円となる。(人様から見るとうらやましいと言われるかもしれない)

米国株からの配当収入は安定しているが、当社からの配当収入は当然、業績次第となる。当社は地方の中小企業とは言っても、近年は安定した業績で、年商4億円、経常利益3000~4000万円はゆうにあったので、配当金を出すにも余裕は十分にある。

だから今期(2020年7月期)も満額で配当金を受け取る予定だったが、パンデミックによる緊急事態宣言によって4月は売上ゼロ、業績は急減速となった。よって今期の最終利益は2500万円程度となる見込みだ。

仮に来冬も緊急事態宣言が再発令となり、売上ゼロの期間が発生するとなると、当然配当金どころではなくなり、企業の存続問題に発展する。(今春、運転資金として5000万円の融資を引っ張ったので、半年程度なら十分にもつ)

 

そもそも株主と経営者の間には、プリンシパル・エージェント問題があり、それは利益相反の関係にある。よって経営者に同じ方向を向かせる為に、当社の経営方針を明確にして、更に「プリンシパル・エージェント協定」を締結した。

 

*当社の経営方針;受益者(株主・経営者)への最大限の配分を行う。(配分が行える分の利益計上は必要、必要とする年間経常利益は最低2500万円)

プリンシパル・エージェント協定

① EBITDA(経常利益+減価償却費)の〇%を配当金とする。

② 配当金の同額を役員退職引当金として積上げ、〇年後に役員退職金を受取ることができる。

③ 過剰な内部留保をしない。流動比率を200%以内に抑える。

 

それでも長期借入金の連帯責任を負っている経営者としては、先の見えないコロナ渦では、一定以上の余裕を持っておきたいと願うのは当然のこと。

プロスペクト理論では、「利益<損失」が当たり前であり、そこをどのようにして理解させるかということが課題となる。

今年の配当金は受け取れても、来期はゼロと見越して、リスク対応をする方が無難であろう。個人資産も、2年程度の生活費はキャッシュとしてキープしている。

これからは、よりバランス感覚と、微妙なかじ取りが、真の投資家としてウデの見せ所になる。

 

 

私の投資哲学と投資ルール②

私の資産ポートフォリオは、米国株・米国債券が主である。それとは別に、私が創業した会社(年商4億)からの配当金がある。

ペーパーアセット(株と債券)の基本は、ミーンリバージョン(平均への回帰;金利が低い時は株式の比率を上げ、金利上昇期に株を売って、債券を購入してリバランスすること)である。

ちなみに2020年春のコロナショックで、世界的な金利の大幅低下を受けて、2020年3月に債券(債券ETFのBND、VGSH)を全て売却して株式の比率を90%まで上昇させた。

 

資産運用の基本は・・・

① 配当再投資によって複利の恩恵を享受すること。

② 良い企業の株を長く持ち続けること。

③ 資産内容を優良資産に代え続けていくこと。

 

では、良い企業・優良資産の定義とは何だろうか?

・業種としてワイドモート(深い濠)を持っている。 

・連続増配企業(配当貴族=連続増配25年以上)

・CROA(営業CF/総資産)15%以上

 

米国株と言うとGAFAが大人気だけど、私はへそまがりなので買わない。(大昔の安い時に買ったAmazon株を少しだけ持っている)ただし、米国のグロース株の典型でもあるので、ETFのVGTだけを少しだけ持つことで恩恵を受けている。

個別株は米国株63銘柄、日本株1銘柄、米国株ETF4銘柄、米国債券ETF1銘柄。

2020年3月の暴落時に一気に買い向かって、仕込むことができた。

 

 

 

 

 

 

私の投資哲学と投資ルール①

2020年3ー4月で、ネット系証券口座の開設数が一気に増えたというニュースを耳にした。株価大暴落を目の当たりにして、多くの方々が投資参加したということらしいが、仮に二番底が訪れた際、こういった方々はどうするのだろうか?

やはり投資に限らず、経営でも何でも、いかに自分の哲学をしっかりと持っていないと、長く相場に居続けることは難しい。

 

株式投資の世界で重要なことは、「分散・長期」とよく言われる。しかしそれは方法論・戦術論であって、もっと大きな枠である戦略論、哲学について、語られることはあまりない。

「投資とは己の欲望に打ち克つこと、己の恐怖に打ち克つこと」

これはNY在住のトレーダー、大竹慎一氏の言葉。

経営と投資を20年以上続けてきて思うに、人は残念ながらこれに打ち克つことはなかなかできない。しかしこれを「知っている」ということだけで、これまで大けがをせずに済んだ。

 

戦略論とは1つではない。そのアプローチは人の数だけある。

なぜなら、その人の資産状況(また負債の状況)、家族構成、年齢(死ぬまでに何年あるのか)、性格etc それらは千差万別だからである。

日本人が死んだ時(不慮の事故死ではなく、老人が亡くなった際)の平均貯蓄額は3000万円だそうだ。かつて老後2000万円(不足)問題が叫ばれたが、その真意は寿命が延びて、生活費が尽きてしまうことへの恐怖であろう。

子供に金を遺すかどうか…というのは、個別の問題なのでなんとも言えないが、それを考えなければ、ある程度使い切って、奥さんが生活に困らない程度に残ればそれでいいのだろう。

 

私の投資哲学は至ってシンプルで・・・

「65歳になるまでは配当再投資を続け、複利効果の恩恵を最大限に享受する。そして66歳からは資産比率4%程度の取り崩しを行い、私と家内の両方が死ぬ時に、資産の全てを盲導犬協会にでも寄付しよう」と決めている。

複利の効果」は、かのアインシュタイン博士にも「人類の最大の発明」と言わしめた。米国株の平均リターンは6%なので、有名な「72割の法則」で言えば、再投資をし続ければ12年間で資産は2倍になることを意味している。

また、細かな「投資ルール」は明確化している。それについては次回にでも。